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医療現場から指摘されている日本のがん治療の問題点

■標準治療の問題点は副作用、末期がん

現在の日本のがん治療は、手術、抗がん剤、放射線治療のいわゆる標準治療が中心です。ところが、がんによっては死亡率が下がっている種類もありますが、全体的に見ると一向にがんの死亡率は下がっていません。がんと診断され、治療中の抗がん剤、放射線治療によって副作用に苦しむ闘病生活を続けられている人も多いのが現状ではないでしょうか。しかも、末期がんとなると手の施しようもないという問題点など、医療関係者からも指摘されています。

とはいえ、標準治療の三大療法と言われる手術、抗がん剤、放射線治療が、がん治療に大きな貢献をしてきたことは事実です。昔は悪性の腫物(今で言う「がん」)は「不治の病」として、多くの人が有効な治療法もなく、亡くなっていました。ですから、取り除く以外どうしようもないほど大きくなってしまった腫瘍には、時に手術は有効でしょう。科学、医学の進歩と共に発展してきた西洋医療のがん治療によって、昔に比べて助かった人が多くいることも事実です。しかし、現在の標準治療には副作用の問題など、乗り越えられない課題がまだまだあると、医師や医療現場からも指摘されています。

■標準がん治療で指摘された問題点

手術をすることによって、腫瘍が取り除かれた後の組織が機能を失ったり、がん細胞が拡散してしまったり、手術の侵襲(生体を傷つけること)によるストレスで新たな活性酸素が発生し、さらなるがん細胞の増加の可能性などがあります。

抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常細胞にも影響を与えてしまいます。特に細胞分裂が盛んなところが影響を受けます。それは骨髄や胃腸などです。骨髄が影響を受ければ、白血球の減少につながり、免疫が低下することで感染症を引き起こしやすくなります。胃腸が影響を受ければ、胃腸の粘膜が正常に再生されず、潰瘍ができたり、下痢を起こしたりします。そして食欲不振になり、栄養素を体内に補給できないので、さらに粘膜を再生できないという悪循環に陥ってしまう可能性があります。

放射線治療は、正常細胞のDNAに影響を与え、細胞をがん化させてしまう可能性があります。参考までに、CT(Computer Tomography:コンピューター断層撮影)検査時の被曝により、発がんリスクが高まっているという報告もあります。

がんが転移してしまった場合、手術が難しいケースも多く、手術しても意味がないと宣告されるために、抗がん剤や放射線治療を受けるしか治療法がなくなり、さらに末期がんとなると、緩和療法のみというのが現状ではないでしょうか。