症状別/漢方薬ガイド
頭痛

頭痛のイラスト

漢方での診断と処方

漢方では、気の上昇、血が滞る瘀血、水滞、冷えなどが、頭痛の要因と考えられています。漢方薬は、片頭痛や緊張型頭痛のような慢性頭痛のほか、慢性副鼻腔炎や高血圧、更年期障害、心因性の頭痛にも用いられます。

よく用いられる漢方薬

【虚実不問(証にかかわらず)】

五苓散(ごれいさん)

口の渇き、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、めまい、むくみなどがあり、尿の量が少ない人の片頭痛、緊張型頭痛などに用いられます。

川芎茶調散(せんきゅうちょうしゃちょうさん)

かぜ初期におこる頭痛、悪寒、関節痛などに用いられます。

【実証】

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

のぼせぎみで赤ら顔、不眠、動悸、めまい、口の渇き、胃のつかえ感、吐き気などの症状がある人に用いられます。

葛根湯(かっこんとう)

悪寒、肩やくびのこりなどの症状がある人の緊張型頭痛、混合性頭痛に用いられます。

葛根加朮附湯(かっこんかじゅつぶとう)

くび・肩こり、緊張型頭痛などに用いられます。

【虚実間証】

桂枝伏苓丸(けいしぶくりょうがん)

のぼせ、肩こり、下腹部痛、瘀血などに用いられます。

五積散(ごしゃくさん)

冷え症、疲れやすい、慢性疾患などに用いられます。

釣藤散(ちょうとうさん)

肩こり、めまい、のぼせなどのある人の中年以降の片頭痛、緊張型頭痛に用いられます。

【虚証】

加味逍遥散(かみしょうようさん)

虚弱、更年期の女性、頭痛、頭重、のぼせ、肩こり、倦怠感、便秘などに用いられます。

桂枝人参湯(けいしにんじんとう)

胃腸の機能の低下した人の片頭痛、緊張型頭痛などに用いられます。

呉茱萸湯(ごしゅゆとう)

手足の冷え、肩こり、嘔吐などをともなう人の片頭痛、緊張型頭痛に用いられます。

半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

胃腸が弱く、手足の冷え、めまいなどがある人の片頭痛、緊張型頭痛などに用いられます。

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

めまい、立ちくらみなどのある人に用いられます。

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